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武術散策  映画 『黒帯』 を見た



 非常に遅ればせながら、先日、念願の『黒帯』を見ることができた。近所のレンタル屋に入荷されてなかったので諦めかけていたのだが、よくよく見ると片隅にポツンと置かれていた。しかも既に「New!」ではなく、「1週間」になっている。喜びいさんで借りてきた。

 『黒帯』は、「空手」というものを本格的に表現したいということで撮られた映画だそうだ。僕はこのミクシイのコミュである人に教わって、オンラインでその予告編とメイキングを見たときから、

「ちょおー、スゲーっっ!!!」

 とか喚いていたのだった。その殺陣の凄み…。これこそ本当の空手の戦い方か、と思わせるような緊迫した空気がそこには描かれていた。

 時は戦時中、空手の道場を没収しようとする憲兵隊と、そこの門下生が衝突する。そこで師範の「黒帯」を受け継ぐ資格を競い合っていた門下生の二人は、一人は在野に下り、もう片方は憲兵隊に空手を教えだす。
 憲兵隊の手先となった弟子と、師の教え「空手に先手なし」を守ろうととするもう一人の弟子。最期に二人は、「黒帯」の継承をかけて、全力で戦いあう…。

 まず何より凄いのが、この二人の主役を演じたのが、本物の空手家だということである。しかもただの空手家じゃない! 主人公の方には剛柔流を創始した宮城長順から直接教えを受けた八木明徳の孫、その明武館剛柔流空手の若き宗家である八木明人。
 ライバル役のほうには日本空手協会、総本部師範とある。総本部? って松涛館かぁっっ! 伝統空手の中枢じゃないですかっ、これは! このライバル役の中達也という人が本当に凄い!

 八木氏のブルンッとククチをかけた感じの「受け」の空手もよかったが、特に魅せられたのは中氏の素晴らしい体捌きだった。冒頭、かなりの遠間から一気に入り込んで、一撃で憲兵隊をノすシーン。
 役者さんでは受けがとれないので、門下生を呼んできたそうである。その遠距離を、「気配なく」「一気に」つめる足捌き、その淀みのない一撃にまず仰天する。

 続いての剣を持つ憲兵隊相手の戦い。最初の相手はうかつに剣を振り上げた瞬間に、みぞおちに一撃もらって悶絶。この人は初動の出足の気配が全くないので、見ていて急に相手の懐に入っているのでホントに驚く。続いての剣の捌きも素晴らしい。
 特に凄かったのは途中、若い憲兵隊員に練習をつけるシーンである。喧嘩などで特に動きのいいヤツを見つけると、「腕に少し覚えがあるようだな」と言って、バッと手を出す。それを俊敏な動きで受ける若者。もう一度繰り返すが、それも若者は受けきる。

 そこで中氏が言うに「これは普通の筋肉の速さだ」と言った後、今度は腰を落とし、引き手をとった手刀を繰り出す。見えない! いや、全然、見えない!! 若者も全く反応できずに、首筋に手刀がピタリと当たる。
 「これが武道の動きだ」と中氏。すげえっ、そうですか中先生、全く見えませんでした! もう心酔しまくりである。「演技」とかいう以前の問題で、普通の人間にできる動きじゃない。この速さは居合いの「抜きつけ」の速さである。

 その他、数々の中氏の絶技も本当によかった。まさに「首里手とは、かく戦うものか」と感慨を新たにした。敵の動きを一寸で見切り、交差の形で入り身の一撃。どの技も凄みのある入り身のタイミングを取っていて、まず普通のアクション映画では見られない凄みがあった。
 
 ストーリーにもまた深みがあった。主人公は最初に憲兵隊の隊長を、受けだけで最小限のダメージのもとに倒す。しかしそれを恥じた隊長は自害してしまい、その子供の姉弟が主人公に仇討ちにやってくる。
 …まさに争いとは、そのような連鎖のものだろうと、深く感じた。であるがゆえに、戦いにおいて「先手なし」「不闘」が意味を持ってくる領域があるのだ。武術とは単に「勝負に勝つ方法」や、「人を殺す技術」ではない。その先にある「生き方」のなかにこそ、武術の本領がある。

 この映画では、そんな武術の本質の一端に触れられた。『SPIRIT』同様、これは本当の「武術」を語った映画である。このような映画が日本の、空手を題材に撮られたことが本当に嬉しい。
 ちょうど『義珍の拳』を読んだ後だったこともあり、「試合を禁じた」師匠の言葉が、船越義珍の意志と連鎖した。そんな事の意味を深々と感じている。
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