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日々の事  秋の虫



 家に帰って自転車にシートをかけていると、ふと虫の声がするのに気づいた。チロチロチロ…といった感じの、鈴を転がしたような感じの音色である。多分、コオロギなんだろう。

 家には僅かだが庭があり、最初の年に植えた芝が放置してある。夏になると芝が残ってる場所は青々と生い茂り、虫の格好のすみかとなる。バッタやカマキリは言うに及ばずだが、その彼らの季節が終わると、今度は秋の虫の登場になる。窓を開ければ、夜のオーケストラということになる。

 しかし街では、最近では虫の声もなかなか思うように聞けないらしい。一つはスズムシが非常に減ってること。もう一つは外来種であるアオマツムシの増加のせいだということである。
 秋の虫かと思ってよく耳を澄ますと、ちっとも風流に鳴いていないのがいる。またそういうのに限って、ひどく大声だ。どうやらそれがアオマツムシというものらしく、地面の茂みのなかではなく、木の上に住んでいる。だから音が上から聞こえてきて、ひどく大声だったら、それはアオマツムシなのだ。

 江戸期ではわざわざ虫を買って、その音色を楽しんだらしい。その「虫売り」について興味を持ったのがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)である。売られていたのは主にスズムシだったのだが、ハーンはこれを調べた。
 事の起こりは寛政年間、神田神保町に住み、煮物や野菜を売り歩いていた越後生まれの忠蔵なる人物が最初だった。これを商品化するためには大量飼育ができなければならないが、これを武士が買って出て、飼育方法の全てを確立したという。

 それが虫売りの人数が決められたり、美しい虫かごが作られたりして、「虫聞きの会」や「虫放ち」などが行われ、秋の行事として盛んになったそうである。
 こういう虫の音を愛する文化は、肝心の虫の声が美しくあってのことだろう。「ジーッ、ジーッ」とかうるさく鳴く虫ばかりでは、海外同様に「ノイズ」という印象しか生まれないだろう。それに加えて、それを楽しみ「粋」に感じる、風流の心がないといけない。

 風流を楽しむ日本の秋。普段、「日本なんて…」とか言って、ナショナリズム批判などする僕だが、文化や風習にはむしろ大事にしたい。それは「国益」になど全くならないが、心の財産を豊かにするものだと思っている。
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