先日の事だが、レンタル屋で『イーオン・フラックス』なるSF映画を借りてみた。SF的な仕掛けに加えてアクションする女性、という『攻殻機動隊』『マトリックス』の路線をモロに狙った感じの作品だった。
SF的な設定は面白いと思ったが、美術、アクションともに『マトリックス』は超えない。こういう映画を作ることの難しさ、というものを逆に感じた。
見終わった後、どうも不完全燃焼な感じが残った。これを何とかせねばなるまい。と、思い、一緒に借りてきていた『仮面ライダー THE MOVIE Vol.2』を見ることにした。
仮面ライダーV3! V3、カッコイイ! しびれる!!
凄い火薬の量だ! 昨今のCGによるごまかしとは迫力が違う! ちょっと危険なくらいの爆発と轟音!!
V3に変身する前の、風見志郎がまたよく戦う! 敵が出てくると、すぐベルト装着する、昨今のヘナチョコライダーどもとは、わけが違う! 本郷猛や一文字隼人、風見志郎などは、変身せずともヒーローなのだ。そこがヒーローのヒーローたるゆえんだ。
尊敬する北斗晶の言葉、「リング上に凡人はいらない」をもじって言うなら、「ヒーローに凡人はいらない」。凡人で何の訓練もせず、倫理意識も使命感もなく、ただベルト装着するだけでヒーローになる昨今のライダーを僕は真の「仮面ライダー」とは認めない。
それは現代における悪平等主義、そしてその背後にある同質主義の裏返しである。努力もなしに力を有することができるという勘違いは、自分の現状に不釣合いな欲望を生み出しかねない。モンスターなんとかやら、街中で無差別殺人をする輩が受け入れてないのは、ただただ自分の正確な現状だと思われるのである。