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斜交い

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斜交い

昨日、長男がいとこに言われたという。 

 「太郎って、おじいちゃんに似ているね。 

  おじいちゃんはせんみっちゃんと言われていたんでしょ」 


 そうだ。 

 確かに父は、“せんみっちゃん”と言われていた。 

 千にみっつしかまともなことを言わないので 

 せんみっちゃん・・・・・・ 

 そう言われてみれば、急に一人でダンスをし出したり、 

 わけの分からない歌を歌ったり、 

 変な人だった・・・・・ 


 私が、まだ学校に上がらない頃、 

 事業に失敗した父は、山で木を切る仕事をしていた。 

 私も、父についていって飯場で泊まった記憶がある。 

 ほかの山師が酔って騒いでいるところで、 

 私は、父とひとつの布団にくるまって寝ていたのを憶えている。 


 また、まだ私がうら若き娘だった頃、 

 遊んで夜中に帰ってくると、父がまだ起きていた。 

 「お帰り」以外何も言わなかった父。 

 心配で眠れなかったのだろう・・・・・・・ 


 父が逝ってから、 

 これで、自分の思ったとおりに生きられる。 

 どんな風に生きても、親に心配をかけずにすむ。 

 逝った寂しさとは裏腹に、そんなことを思った自分がいた。 


 父のことを思い出していたら、温かな風が吹いた。 


 そうなんだよな・・・・・・・ 

 まともに正面からぶつかったら行き詰ってしまうよな。 

 正論、正論ばかりではすごく息苦しくなる。 


 家の梁には、よく斜交いのつっかいぼうをすることがある。 

 梁を頑丈にするためだ。 


 人間社会も同じなのだと思った。 

 人を笑わせたり、拍子抜けさせたりする人が必要なんだ。 

 今頃になって、父の愛に気づいた気がする・・・・・・ 


 ついでにおのろけ・・・・・・ 

 連れ合いも父に似ている。 

 こちらがまともにぶつかっても、柳に腕押しみたいに、 

 のらりくらりとかわされてしまう。 

 私みたいに、直球しか投げられない人間が、行き詰らないためには、ちょうど良いのかもしれないと思った。 

 前は、腹が立って仕方が無かったけど、あきらめていた。 

 でも今は、これが連れ合いの優しさなのだと思えるようになった。 


 ああ、わたしってしあわせもの・・・・・・ 


 私も柳みたいになれたらいいな・・・・・・ 

 斜交いにものをみれたらいいな・・・・・・


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